親知らずを利用した自家歯牙移植の症例

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歯の移植(自家歯牙移植)によりインプラント治療を回避した症例。インプラントの専門医院だからこそこだわる歯の保存治療

こんにちは。

大阪府箕面市船場の歯科・歯医者、TASUKU DENTAL OFFICE(タスクデンタルオフィス)の筒井佑(たすく)です。

今回は、「虫歯で抜歯になった部位に親しらずの歯を移植した症例」を紹介します。

虫歯で抜歯になった部位に親しらずの歯を移植した症例

【主訴】

歯がしみる、虫歯の治療をしたい

【年齢・性別】

49歳 女性

【治療回数】

歯の移植(自家歯牙移植)     2回

精密根管治療          2〜3回

セラミック治療            3回

【治療内容】

歯の移植(自家歯牙移植)、精密根管治療、支台築造、精密印象、ジルコニアクラウン製作

【費用】

自家歯牙移植+精密根管治療    16.5万円(税込)

ファイバーコア                              2.2万円(税込)

ジルコニアクラウン                              16.5万円(税込)

【治療リスク】

・抜歯などの外科処置が必要です

・移植した歯が生着しない可能性があります

・被せ物が欠ける可能性があります

・被せ物の色が必ずしもご希望通りにいかない場合もあります

 

初診時

患者さんは、最近冷たいものを飲むと歯がしみており、虫歯かもしれないと不安になり当院にご来院されました。

レントゲンを撮影すると、左上の奥歯(第二大臼歯)に大きな虫歯が認められました。虫歯のある位置は歯の奥側の根っこの表面で、さらに歯茎により完全に覆われており、治療器具も届かず虫歯の処置をするのがかなり難しい状態でした。

おそらく、親知らずの影響で、汚れが溜まりやすく、虫歯になってしまったと予測されます。

親知らずは既に抜歯されていましたが、左上の奥歯も虫歯の状態が悪く、抜歯せざるを得ないと判断し、患者さんの了承を得ました。

 

抜歯後の治療オプションとしては、

  • 入れ歯
  • インプラント
  • そのまま放置

が、一般的な治療方法となりますが、当院ではさらに「歯の移植(自家歯牙移植)」という治療オプションもご提案しました。

患者さんは、インプラント治療は費用が高いし、少し怖い感じもする。入れ歯は絶対に嫌なので、少しでも自分の歯を利用して、自分の歯のように噛めるのであれば、挑戦してみたいと希望されたため、「歯の移植(自家歯牙移植)」で治療することとなりました。

>>>>>>歯の移植(自家歯牙移植)ってどんな治療なのか?詳しくはこちらから

治療の流れ・経過

1.術前診査(CT)、移植シュミレーション

まずは、CT撮影を行い、移植歯(ドナー歯)となる親知らずの形と抜歯する予定の歯の周囲の骨の形を精査しました。ドナー歯の根っこの形は単純で抜歯しやすいと判断し、サイズも抜歯する歯の周囲の骨のサイズとほぼ一致すると判断し、歯の移植(自家歯牙移植)が適応できると判断しました。

術前にはCTのデータを利用し、移植する歯(ドナー歯)のレプリカ(模擬歯)を製作し、シュミレーションを行いました。

 

2.虫歯で保存困難な歯の抜歯

虫歯で悪くなった歯の抜歯から始めます。当院では、保存困難歯の抜歯と歯の移植は同時には行わず、別の日で施術するようにしています。理由は、移植先の感染が大きい場合、移植した歯に感染し、うまく生着しない場合があるからです。少しでも感染のリスクを軽減させるために、抜歯後2週間後に歯の移植を行うようにしています。

抜歯と同時に、術前に用意していたレプリカを使用し、移植歯と移植先の骨のサイズが一致するかを確認しました。移植を成功させるためには、この作業がとても重要です。

3.歯の移植(自家歯牙移植)

移植当日は、まずは2週間前に抜歯した部位にドナー歯を移植できるように、麻酔を行い整えていきます。次に、移植歯を抜歯する際には、歯根膜を傷つけないように慎重に抜歯していきます。局所麻酔を行い、時間をかけてゆっくりと歯を揺らしながら抜歯をしていきます。その後、移植歯の周囲に付着している歯石や汚れを歯根膜を傷つけないように除去していきます。より成功率を向上させるため、エムドゲインといわれる、細胞を活性化させる成長因子を塗布し、成功率を高めます。移植歯は抜歯した部位に埋入し、動かないように糸で固定します。

4.精密根管治療

移植後3週間以降から根っこの治療(根管治療)を開始していきます。2〜3回に分けて慎重に根管治療を行っていきました。移植後3ヶ月は経過観察を行い、デンタルX線写真で確認したところ、感染はなく、歯根膜の存在も認められたため、経過良好と判断し最終の被せ物を製作していきました。

5.精密補綴治療

移植した歯を長持ちさせるためには、被せ物を精度良く製作していく必要があります。いくら移植が成功しても、被せ物の精度が悪く、隙間が空いているようでは、汚れが溜まり虫歯や歯周病になりやすくなります。この症例でも、ジルコニアクラウンを使用し、精度良く被せ物を製作していきました。

治療終了時にも、再度デンタルエックス線写真で経過を確認したところ、炎症などの問題は認められず経過良好と判断しました。

 

当院では、インプラント治療にも特化しておりますが、まずは「歯が保存することはできないか」あるいは「インプラント治療以外の治療方法はないのか」などを精査のうえ説明し、治療オプションをご提案するように心がけております。天然歯に勝るものはないため、インプラント治療は最終的な治療オプションであると考えております。

 

当院は大阪府箕面市船場に立地しており、近隣の箕面市や豊中市、吹田市、茨木市、池田市からの患者様が通院されています。千里中央、緑丘、東豊中、上野坂、古江台、青山台、新千里北町、新千里西町、新千里東町、新千里南町方面からも多数来院されております。

また、大阪の大動脈である、新御堂筋(423号線)や神戸から京都まで東西に走る国道171号線、箕面トンネル、吹田インター(名神高速)、池田インター(中国道)が近く、車でのアクセスが抜群であるため、大阪市内や西宮市、箕面森町、京都市、三重県、和歌山市からも通院される方がおられます。

2024年3月23日開通予定の、OsakaMetro御堂筋線直結 北大阪急行線「箕面船場阪大前駅」徒歩3分と、電車での来院もしやすくなっております。

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院長 筒井 佑

監修者情報院長 筒井 佑

日本国内でもトップレベルの歯周治療、インプラント治療、噛み合わせ治療など総合治療を専門とした貴和会歯科診療所に勤務し、佐々木猛先生をはじめとする著名な先生方のご指導のもとで、10年間研鑽を積んでまいりました。全ての分野においてより専門性の高いレベルで臨床に取り組み、1本の天然歯を残す治療から全顎的な治療に至るまで数多くの難症例にも対応いたします。

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