MTAを使用し神経を抜かずに保存できる歯髄保存療法

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むし歯でも神経を抜かずに治療ができる方法|歯髄保存療法

こんにちは。

大阪府箕面市船場の歯科・歯医者、TASUKU DENTAL OFFICE(タスクデンタルオフィス)の筒井佑(たすく)です。

歯医者でよく「むし歯が深いので神経を抜きますね」という説明を聞くことはありませんか?

患者さんは、むし歯が深いと絶対に神経を抜かないといけないものだと、認識されている方も多いのではないでしょうか。

確かに、むし歯が大きく神経まで到達しており、場合によっては神経を抜かないといけない場合もありますが、条件が良ければ、神経を保存できる方法もあります

誰しも、歯の神経を残せるなら、残したいですよね?

今回は、「むし歯が深く神経まで到達していたが、歯髄保存療法で神経を保存した症例」について解説します。

18歳の女性の方で、学校の定期検診で虫歯があると指摘され、当院を受診されました。

レントゲンを撮影すると、神経に到達するぐらいの大きいむし歯が存在していました。

基本的には、虫歯が深く歯の神経にまで到達してしまうと、細菌が神経に入り込んでしまうため、神経を取る処置(抜髄)を行なうことがほとんどです。

しかし、神経を除去する治療をした歯は、神経のある歯と比較し、歯の喪失リスクが高くなるという報告もあるため、当院では神経を残せる可能性がある場合は、神経の保存・歯の保存に努めています。

また、1本の歯に対する治療の限界は4~5回と言われているため、少しでも神経を残し、治療の介入を遅らせることで、歯の寿命を延伸することにも貢献できる。

特に今回のような若年者においては、歯の寿命を延伸することで、年齢を重ねても歯の喪失リスクを軽減できる可能性があると考えています。

今回の患者さんの場合も、自発痛や打診痛などの症状もないため、神経を保存できる可能性があると判断しました。

患者さんにも神経の保存を提案したところ、神経を保存する治療(歯髄保存療法)を希望されたので施術することとなった。

治療の精度や成功率を向上させるため、Zooを使用した防湿下のもと、むし歯の除去を行った。

レントゲン上で確認した通り、むし歯は神経まで到達しており、広範囲で神経の露出が認められた。

マイクロスコープによる拡大下で確認したところ、健康な血管の存在も確認でき、神経の保存が可能であると判断し、露出した神経をMTAという水酸化カルシウムを成分とする材料で被覆した。

仮の詰め物にて封鎖し、約10日間神経の反応を経過観察したが、自発痛などの症状は出ず、電気歯髄診(少量の電気を流して神経の生死を判断する方法)においても神経の保存を確認できた。

経過良好と判断し、ダイレクトボンディングにて歯の形態を回復した。

神経を保存できたことにより、歯質の切削も必要最小限ですみ、歯の保存にも貢献することができた。

【治療後の副作用】

・治療後に痛みが出る可能性があります

【治療によるリスク】

・痛みが出た場合は神経を取る必要があります

・経年的に詰め物の色が変色する可能性があります

・詰め物が欠ける可能性があります

【治療費用】

歯髄保存療法      3.3万円(税込)

ダイレクトボンディング 2.2~5.5万円(税込)

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院長 筒井 佑

監修者情報院長 筒井 佑

日本国内でもトップレベルの歯周治療、インプラント治療、噛み合わせ治療など総合治療を専門とした貴和会歯科診療所に勤務し、佐々木猛先生をはじめとする著名な先生方のご指導のもとで、10年間研鑽を積んでまいりました。全ての分野においてより専門性の高いレベルで臨床に取り組み、1本の天然歯を残す治療から全顎的な治療に至るまで数多くの難症例にも対応いたします。

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